ジャズコード一覧|よく使うコードの種類・構成音・使い方を整理

ジャズコード一覧|よく使うコードの種類・構成音・使い方を整理

ジャズのコード譜には、maj7、m7、6、dim7、aug、alt、C/Eのような多様な記号が登場します。すべてを別々のコードとして覚えようとすると膨大に見えますが、メジャー系、マイナー系、ドミナント系、ディミニッシュ系などに分ければ、構成音の違いを比較できます。

この記事は、ジャズでよく使われるコードを一覧で確認するための資料です。各コードをCルートの構成音で示し、記号の読み方、響きの特徴、進行での使い方を整理します。実際の曲では音を省略したり並べ替えたりしますが、まず基本となる度数を把握しましょう。

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この記事を読むと分かること
  • ジャズコードを系統別に分類する方法
  • 各コード記号の構成音と読み方
  • 6th、dim、aug、alt、分数コードの役割
  • 頻出コードから効率よく覚える順序
目次

コード一覧の見方

コードは、ルートを1として、そこからの音程で構成を表せます。Cをルートにしたとき、3はE、♭3はE♭、5はG、♭7はB♭、7はBです。この度数が分かれば、ルートがA、E、F、Gへ変わっても同じコードタイプを作れます。

スクロールできます
度数Cルートの音意味
1Cルート
♭3E♭短3度
3E長3度
♭5G♭減5度
5G完全5度
♯5G♯増5度
6A長6度
♭7B♭短7度
7B長7度
♭9D♭短9度
9D長9度
♯9D♯増9度
11F完全11度
♯11F♯増11度
♭13A♭短13度
13A長13度

9th、11th、13thは、1オクターブ内では2度、4度、6度と同じ音名です。7thコードの上に重ねるテンションとして扱うため、大きな数字で表します。

コード表記には複数の慣習があります。Cmaj7はC△7、Cm7はC-7、Cdim7はC°7、Cm7♭5はCø7と書かれることがあります。譜面によって記号が違っても、構成音を確認すれば同じ種類だと判断できます。

以下の構成音は基本形です。演奏時には5度やルートを省略したり、音の順序を変えたり、旋律に合わせてテンションを加減したりします。

頻出コード早見表

最初に、よく使うコードをCルートでまとめます。用途欄は代表的な働きであり、曲中の機能はキーと前後の進行によって変わります。

スクロールできます
系統コード度数Cルートの構成音代表的な用途
メジャーC1・3・5C・E・G基本のメジャー三和音
メジャーCmaj71・3・5・7C・E・G・BメジャーキーのI、IV
メジャーC61・3・5・6C・E・G・Aトニックの安定した色彩
メジャーC6/91・3・5・6・9C・E・G・A・D7度を避けた広い響き
メジャーCmaj91・3・5・7・9C・E・G・B・Dmaj7を広げた響き
マイナーCm1・♭3・5C・E♭・G基本のマイナー三和音
マイナーCm71・♭3・5・♭7C・E♭・G・B♭メジャーのii、viなど
マイナーCm61・♭3・5・6C・E♭・G・Aマイナートニックなど
マイナーCmMaj71・♭3・5・7C・E♭・G・B緊張を含むマイナー
マイナーCm91・♭3・5・♭7・9C・E♭・G・B♭・Dm7を広げた響き
ドミナントC71・3・5・♭7C・E・G・B♭V7、ブルースのI7など
ドミナントC91・3・5・♭7・9C・E・G・B♭・D9thを加えたV7
ドミナントC131・3・5・♭7・9・13C・E・G・B♭・D・A13thを含む伴奏
ドミナントC7sus41・4・5・♭7C・F・G・B♭3度を保留した響き
ドミナントC7alt1・3・♭7+変化音C・E・B♭+D♭・D♯・G♭・A♭など強い緊張からの解決
減和音Cdim1・♭3・♭5C・E♭・G♭不安定な三和音
減和音Cdim71・♭3・♭5・減7C・E♭・G♭・A経過、導音、代理機能
半減Cm7♭51・♭3・♭5・♭7C・E♭・G♭・B♭マイナーキーのii
増和音Caug1・3・♯5C・E・G♯5度が上がる不安定な響き

この表のすべてを同時に暗記する必要はありません。最初はmaj7、m7、7、m7♭5の4種類を優先し、次に6、dim7、aug、テンション系へ進むと整理しやすくなります。

メジャー系コード

メジャー系は長3度を含み、トニックやサブドミナントなどで使われます。三和音、maj7、6thの違いを押さえると、譜面に応じて響きを選べます。

メジャー三和音

CはC・E・Gで構成されます。記号にMやmajを付けず、ルート名だけで表すのが一般的です。ジャズでは7thコードが多く使われますが、三和音が使われないわけではありません。旋律やアレンジによって、7度を加えない明快な響きが選ばれます。

maj7

Cmaj7はC・E・G・Bです。CメジャーキーではImaj7、GメジャーキーではIVmaj7として現れます。長3度Eと長7度Bがコードの性格を示します。

maj7の7度とルートは半音で接するため、低い音域で密集させると濁ることがあります。実際のボイシングでは音域を離す、ルートをベースに任せる、5度を省くなどの調整を行います。

6thと6/9

C6はC・E・G・Aです。Cmaj7のBの代わりに長6度Aを含みます。メジャートニックで使われることがあり、maj7とは異なる安定感を作ります。

C6/9はC・E・G・A・Dです。6度と9度を含み、長7度を含みません。コード表記の「6/9」は分数コードではなく、6thと9thを加える意味です。C/Gのようにベース音を指定するスラッシュコードとは区別してください。

ワンポイント

maj7と6を形だけで覚えず、ルートに対してBが長7度、Aが長6度だと確認してください。同じメロディ音でも、コード表記によって役割が変わります。

マイナー系コード

マイナー系は短3度を含みます。m7、m6、mMaj7は7度または6度が異なり、機能と響きも変わります。

マイナー三和音とm7

CmはC・E♭・G、Cm7はC・E♭・G・B♭です。Cm7はB♭メジャーキーのii、A♭メジャーキーのiii、E♭メジャーキーのviなど、複数の位置に現れます。

ジャズのii-V-Iではm7が頻出します。Cメジャーのii-V-IならDm7-G7-Cmaj7です。Dm7の構成音D・F・A・Cのうち、FとCは次のG7へ滑らかにつながります。

m6

Cm6はC・E♭・G・Aです。短3度と長6度を含むのが特徴です。Cドリアンの響きとして使われる場合もあれば、Cマイナーのトニックとして使われる場合もあります。Cm7のB♭とCm6のAを混同しないようにします。

m6は、構成音を並べ替えるとAm7♭5と同じ音集合になります。Cm6がCをルートとする響きなのに対し、Am7♭5はAをルートとするコードです。同じ音でもベース音と進行によって機能が変わります。

mMaj7

CmMaj7はC・E♭・G・Bです。短3度E♭と長7度Bを同時に含むため、マイナーの暗さと半音の緊張が共存します。マイナーキーのトニックや、旋律的マイナースケールに関係する場面で現れます。

表記はCm(maj7)、CminMaj7などの場合もあります。Cm7のB♭ではなくBを使う点が重要です。

ドミナント系コード

ドミナント系は長3度と短7度を含み、強い緊張と解決方向を作ります。C7ならEとB♭が核となる音です。

7th

C7はC・E・G・B♭です。Fをトニックと考えると、C7はV7としてFまたはFmaj7へ進みやすいコードです。3度EがFへ半音上がり、7度B♭がAへ下がることで解決感が生まれます。

ブルースではI7やIV7としても使われるため、「7thコードは必ずV」とは限りません。曲のスタイルと前後の進行を確認します。

9th・11th・13th

C9はC7へDを加えたコードです。C11はさらにF、C13はAを含む考え方ですが、実際のボイシングではすべての音を積み重ねるとは限りません。ルートをベースへ任せ、5度や一部のテンションを省略することがあります。

C11で3度Eと11度Fを近接させると強く濁るため、3度を省いたC9sus4のような配置が選ばれることもあります。一方、C7♯11ならF♯を使い、異なる色彩を作ります。

C13は、記号上は7thの機能を保ちながら13thを含むコードです。C6とは短7度B♭の有無が異なります。C6がC・E・G・Aなのに対し、C13の核はC・E・B♭・Aです。

altコード

C7altは、C7の5度や9度を変化させたドミナントコードをまとめて示す表記です。基本となるC・E・B♭に、D♭の♭9、D♯の♯9、G♭の♭5または♯11、A♭の♯5または♭13などを組み合わせます。

「altだから変化音をすべて同時に弾く」という意味ではありません。旋律、ボイシング、次のコードへの解決を考えて選びます。C7altがFマイナーへ進むなら、D♭がCへ、D♯がFまたはE♭へ、A♭がGへ動くなど、各音の進行を確認します。

altの具体的な構成音は、譜面や演奏者の解釈で異なります。伴奏では旋律音と衝突しないようにし、アンサンブル内で変化音の扱いを確認します。

7♯9とジミヘンコード

C7♯9はC・E・G・B♭・D♯です。長3度Eと♯9のD♯が異なる役割で近接し、強い緊張を作ります。一般に「ジミヘンコード」と呼ばれることがあるのは7♯9型ですが、この呼称は構成を説明する正式な理論名ではありません。

ジャズでもブルースやファンクの文脈を含めて使われます。コード名を通称だけで覚えず、ドミナント7thに♯9を加えた構造として理解しましょう。

ディミニッシュ系

ディミニッシュ系は減5度を含み、不安定な響きと滑らかな半音進行を作ります。dim7とm7♭5は似ていますが、7度が異なります。

dimとdim7

CdimはC・E♭・G♭です。Cdim7はさらに減7度を加え、C・E♭・G♭・Aになります。dim7はすべて短3度間隔で重なる対称的な構造です。

この対称性により、Cdim7、E♭dim7、G♭dim7、Adim7は同じ音集合を別のルートから見たものになります。ただし、譜面上の表記は進行の機能や声部の向きを示すため、どの音をルートとして書いているかに意味があります。

dim7は、二つのコードの間を半音でつなぐ経過和音、ドミナント7th♭9のルートを省いた形、導音からトニックへ解決する和音などとして使われます。単独の形ではなく、各構成音が次へどう動くかを見ることが重要です。

m7♭5

Cm7♭5はC・E♭・G♭・B♭です。Cdim7のAではなくB♭を含みます。半減7thとも呼ばれ、記号Cø7で表される場合があります。

マイナーキーのii-V-iで頻出します。B♭マイナーならCm7♭5-F7-B♭mという進行です。m7♭5をdim7と同じ形として扱わず、短7度を確認してください。

オーギュメント系

オーギュメントコードは増5度を含み、安定した完全5度を半音上げることで、次の音へ動きたがる響きを作ります。

CaugはC・E・G♯で、C+やC♯5と書かれることがあります。すべて長3度間隔で重なる対称的な構造なので、Caug、Eaug、G♯augは同じ音集合です。

C7♯5はC・E・G♯・B♭で、ドミナント7thの5度を上げたコードです。三和音のCaugと、短7度を含むC7♯5は区別します。Fへ解決する場合、G♯がAへ半音上がるなど、変化音を声部の動きとして使えます。

メジャーのトニックでCmaj7♯5のようなコードが使われる場合もあります。増5度という音程だけで機能を決めず、3度と7度、前後のコードを確認してください。

susとパワーコード

susコードとパワーコードは、3度を含まない点が共通します。メジャーかマイナーかを決める3度がないため、開かれた響きを作れますが、ジャズでの役割は異なります。

susコード

Csus4はC・F・G、C7sus4はC・F・G・B♭です。3度Eの代わりに4度Fを使います。FがEへ解決する古典的な動きもありますが、ジャズやモーダルな文脈ではsusの響きを保つ場合もあります。

C9sus4ではB♭とDを加えることがあり、実際のボイシングでは5度Gを省略することもあります。sus4を「必ずすぐ3度へ解決する音」と固定せず、曲の和声を確認します。

パワーコード

C5はCとGで構成され、ロックなどでパワーコードと呼ばれます。ジャズで全く使われないわけではありませんが、3度と7度がないため、機能和声の細かな違いを示す情報は少なくなります。

ジャズの伴奏で音数を減らす場合、ルートと5度だけにするより、3度と7度を残す方がコードタイプを伝えやすいことが多いでしょう。一方、特定のアレンジで強いユニゾン感や曖昧さを作るなら、5度の重なりが効果的です。

分数コード

C/EやDm7/Gのようにスラッシュを含むコードは、分数コードまたはスラッシュコードと呼ばれます。左側が和音、右側がベース音です。

転回形を示す形

C/Eは、Cメジャー三和音C・E・Gを弾き、ベースをEにします。コード構成音の3度が最低音なので第1転回形です。C/Gなら5度Gが最低音です。

転回形は、ベースラインを滑らかにするために使えます。C-G/B-Am7のように進めば、ベースがC-B-Aと順次下降します。上の和音だけでなく、右側のベース音の動きを追ってください。

上部構造とベースを示す形

Dm7/Gは、Gをベースに置き、その上でDm7のD・F・A・Cを鳴らします。全体ではG9sus4に近い音集合になります。このような表記は、演奏者に具体的な上部の形とベースを伝える意図があります。

C6/9のスラッシュは6と9の両方を加える記号であり、C/Eのようなベース指定とは意味が違います。スラッシュの右側が音名か数字かを確認しましょう。

ルート別の構成例

同じコードタイプを別のルートへ移すときは、度数構造を保ちます。頻出するA、C、E、F、Gを例に、4種類の7thコードを確認します。

スクロールできます
ルートmaj7m77m7♭5
AA・C♯・E・G♯A・C・E・GA・C♯・E・GA・C・E♭・G
CC・E・G・BC・E♭・G・B♭C・E・G・B♭C・E♭・G♭・B♭
EE・G♯・B・D♯E・G・B・DE・G♯・B・DE・G・B♭・D
FF・A・C・EF・A♭・C・E♭F・A・C・E♭F・A♭・C♭・E♭
GG・B・D・F♯G・B♭・D・FG・B・D・FG・B♭・D♭・F

Fルートのm7♭5では、減5度をC♭と書きます。鍵盤上ではBと同じ高さですが、Fから数えた5度を半音下げた音であることを示すためです。コードを学ぶときは、音の高さだけでなく文字上の度数関係も確認します。

覚える順序を決める

コード一覧は参照用として便利ですが、上からすべて暗記する必要はありません。頻度と関係性を基準に段階を分けます。

  1. maj7・m7・7・m7♭5
    メジャーとマイナーのii-V-Iを構成する中心的な4種類です。
  2. 6・m6・dim7
    トニックの選択肢と、経過的な動きを理解します。
  3. 9・13・sus4
    ドミナントの基本機能を保ちながら響きを広げます。
  4. aug・7♯5・7♭9・7♯9
    変化音が次のコードへどう解決するかを確認します。
  5. alt・分数コード
    一つの固定フォームではなく、旋律、ベース、進行との関係で読みます。

各段階で、コードを単独で鳴らした後に短い進行へ入れます。Cmaj7だけを覚えるのではなく、Dm7-G7-Cmaj7で機能を確認します。Cm6ならFm7-G7-Cm6など、マイナートニックとしての響きを聞きます。

ワンポイント

新しいコードを覚えたら、構成音を言う、3度と7度を抜き出す、次のコードへの半音進行を探す、という3点をセットにしてください。記号と響きが結び付きやすくなります。

ジャズコードのよくある質問

7とmaj7は何が違いますか?

3度はいずれも長3度ですが、7度が異なります。C7は短7度B♭、Cmaj7は長7度Bを含みます。C7はFへ向かうドミナントとして働きやすく、Cmaj7はCメジャーのトニックとして安定しやすいコードです。

6thコードと13thコードは同じですか?

長6度と13度は同じ音名ですが、コードの土台が異なります。C6はC・E・G・Aで、通常は短7度を含みません。C13はドミナント7thを土台とし、C・E・B♭・Aが機能上の核です。表記と前後の進行を確認してください。

dim7とm7♭5はどう見分けますか?

3度と5度は同じですが、7度が異なります。Cdim7は減7度A、Cm7♭5は短7度B♭を含みます。dim7は短3度を積み重ねた対称構造、m7♭5はマイナーキーのiiなどで使われます。

altにはどの音を入れますか?

ルート、長3度、短7度を核に、♭9、♯9、♭5または♯11、♯5または♭13などの変化音から選びます。すべてを同時に入れる必要はありません。旋律音と解決先に合う音を選びます。

コードは全構成音を弾く必要がありますか?

必要ありません。ベースがルートを担当するなら、コード楽器はルートを省けます。完全5度も省略されることがあります。3度と7度を中心に、旋律やテンションとの関係を考えて配置します。ただし、減5度や増5度のようにコードタイプを示す音は重要です。

系統で整理する

ジャズコードは種類が多く見えますが、構成音の一部を変えたり加えたりした関係にあります。メジャー系は長3度、マイナー系は短3度、ドミナント系は長3度と短7度、ディミニッシュ系は減5度を手掛かりに分類できます。

まずmaj7、m7、7、m7♭5を覚え、ii-V-Iの中で使ってください。その後に6th、dim7、aug、テンション、alt、分数コードへ進むと、それぞれが基本コードをどう変えたものか理解できます。

一覧は、知らない記号に出会ったときの確認表として使います。最終的には、記号から構成音を導き、3度と7度を見つけ、前後のコードへどう動くかを考えられる状態を目指しましょう。

本や教本でジャズをもう少し深く知る

歴史や理論、演奏の考え方を体系的に学びたいときは、テーマに合った書籍や教本も役立ちます。今知りたい内容と自分の知識・演奏レベルに合うものを選びましょう。

ジャズコードの全体像を見る

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